2025.09.28
A 免責不許可決定は、裁判所が、自己破産を申し立てた人(破産者)に対し、債務の支払義務を免除(免責)しないと判断する決定のことです。
1 免責不許可決定が確定すると、具体的には以下のような状況になります。
a. 借金の返済義務が残る
自己破産申立ての最大の目的である「債務の免除」が受けられないため、すべての債務がそのまま残ります。
b.債権者からの督促・差し押さえが再開される
弁護士からの受任通知または破産手続開始によって停止していた、債権者からの電話や手紙による督促、給与差押えやその他の財産の差押えなどが再開される可能性があり ます。
c.「破産者」である事実が残る
一部の資格や職業に就けない資格制限が残ります。資格制限は、復権が得られるまで続きます。
2 免責不許可決定後の対処法
a. 即時抗告
免責不許可決定に不服がある場合、破産者が免責不許可決定書を受け取ってから1週間以内に即時抗告をすることができます。ただし、決定を覆すためには新たな証拠を示す など、説得力のある主張が必要です。
b. 個人再生申立
個人再生は、借金を大幅に減額し、原則3年~5年間で分割返済していく手続きです。自己破産では免責不許可事由となるギャンブルや浪費が原因の借金であっても、個人再生であれば再生計画が認可される可能性があります。
c. 任意整理
任意整理は、弁護士が各債権者と個別に交渉し、将来利息のカットや分割返済を合意する手続きです。破産手続の中である程度財産状況が明らかになっているため、債権者としても、現実的な返済計画であれば交渉に応じてくれる可能性があります。