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日本学生支援機構の奨学金も、破産手続の対象となり、免責許可決定が得られれば、支払義務が無くなります。
ただし、連帯保証人や保証人がいる場合、日本学生支援機構から一括請求が行きますので、注意が必要です。
医療ローン(美容ローン)による債権も、破産手続の対象となり、免責許可決定が得られれば、支払義務が無くなります。
生活保護を受けている方の債務整理手段としては、通常、自己破産一択となります。
生活保護費から借金を返済することは、通常は、役所が認めないからです。
過去に破産したことがある人であっても、普通は、新規に銀行口座を開設することは可能です。
すなわち、破産したことを理由に口座の新規開設を拒否されることは、普通は無いはずです。
自己破産を弁護士に依頼したとしても、その銀行から借入れ(カードローン、住宅ローンなど)が無いのであれば、通常は口座が凍結されることはありません。
逆に、その銀行から借入れがあれば、弁護士が受任通知を送付した時点で、口座が凍結される(口座内のお金を出金できない状態にすること)ことが普通です。銀行としては、貸付金を回収するために、相殺(貸付金額の限度で口座内のお金を没収すること)をするからです。
後払い決済業者の債権についても、破産手続きの対象となり、免責許可決定が得られれば、支払い義務が無くなります。
携帯電話会社のキャリア決済(携帯料金支払いと合算して支払う決済サービス:auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い、ワイモバイルまとめて支払い、d払いなど)は、携帯電話会社に対する偏頗弁済となる可能性があるので、破産手続中は利用しないようにしてください。
ある程度財産がある方が自己破産を申し立てた場合、管財事件となり破産管財人が付くことになります。
一方、財産がほとんど無い方であっても、負債形成の主な原因が浪費やギャンブルであるなど明らかな免責不許可事由がある場合には、免責不許可事由や裁量免責が可能かを調査させるために、裁判所が破産管財人を選任することになります。
このケースを「免責調査型管財事件」といいます。「免責調査型管財事件」になることが想定される場合には、申立前の準備期間中に、弁護士費用に加えて、管財予納金20万円を積み立てておくことが必要となります。
【同時廃止事件の場合】
破産申立てから約1ヶ月以内に裁判官面接があり、破産手続開始・手続廃止決定がなされます。その後2~3ヶ月後に、免責に関する決定がなされます。なお、裁判官面接は、上記のタイミングではなく、免責に関する決定の直前に行われる場合もあります。
【管財事件の場合】
破産申立ての後、破産管財人が選任され、約3~4ヶ月後に第1回債権者集会が指定されます。財産の換価・債権者への配当など、破産管財人による業務がすべて終了した後に、免責に関する決定がなされます。破産手続が終了するまでにかかる期間は、財産の性質(換価が容易かどうか)により大きく左右されます。
過去に破産し免責許可決定を受けたことがある人が、その後再び借り入れをしてしまい返済不可能となり、2回目の破産申立てをするケースがあります。
このような場合、再び破産はできるのでしょうか。また、免責は許可されるのでしょうか。
まず、客観的に返済不能であれば、過去に破産したことがあっても、再び破産手続開始決定を得ることは可能です。
しかし、再び免責許可決定が得られるかというと、話は違ってきます。
すなわち、①前回の免責許可決定の確定から7年以内の申立てであれば免責不許可事由に該当するため、再度の免責許可決定をもらうのは通常は難しいと思われます。
また、②前回の免責許可決定から7年が経っているのであれば、法律上、免責不許可事由には該当しませんが、裁判所は免責許可・不許可の判断に慎重になるため、簡単にはいきません。
再び負債を抱えることになった経緯について詳細に裁判所に報告し、前回の反省をふまえ、今回の借入れが真にやむを得ないものだった、ということを裁判所に理解してもらうことが必要となります。
場合によっては、管財事件となり、破産管財人の家計指導や調査を受けるということもあります。
このように、2回目の破産免責は、1回目よりも難易度が上がるといえるでしょう。
破産手続開始と同時に破産手続が廃止(終了)される事件を「同時廃止事件」といいます。裁判所が「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」(破産法216条1項)に同時廃止決定がなされます。20万円以上の資産を持っていない人の場合、多くが同時廃止事件となります。破産手続きが開始と同時に終了してしまうので、債権者集会が開かれることはありませんし、郵便物が破産管財人に転送されたり、転居する場合等の裁判所の許可は必要ありません。破産申立事件のうち過半数が「同時廃止事件」として処理されているようです。
破産手続開始決定と同時に破産管財人が選任される破産事件を「管財事件」といいます。この場合、破産者は財産の管理処分権を失い、破産管財人が破産者の財産を換価(財産をお金に換えること)し、債権者に配当するだけの財源ができれば配当されることになります。また、破産者宛ての郵便物は破産管財人に転送され、破産者が転居する場合等には裁判所の許可が必要となります。
個人が破産申立をする場合には、次の1~6の場合には「破産管財事件」になり、その他の場合には「同時廃止事件」となります。なお、法人が破産申立をする場合には常に「破産管財事件」になります。 1.個人事業を営んでいる場合 2.法人の代表者である場合 3.免責不許可事由が疑われ、破産管財人による免責調査が必要である場合 4.評価額20万円以上の資産を持っている場合 5.20万円未満の資産しか持っていないが、破産申立ての前に重要な財産を処分したり偏頗弁済等をした場合 6.その他、破産管財人による調査が必要である場合
破産管財人とは、破産した人の財産を管理し、お金に換え(換価)、そのお金を債権者に配当するなどの事務を行います。破産手続開始決定と同時に選任され(通常は弁護士が選任されます)、裁判所の監督を受けます。このように、破産管財人が選任される破産手続きを「破産管財事件」といいます。
法律上差押えが禁止されている財産を、差押禁止財産といいます。 差押禁止財産については、破産手続きによっても処分されることはありません。 例えば、衣服、寝具、家具、生活保護受給権などは差押禁止財産です。 また、66万円以下の現金は差押禁止財産ですが、破産手続きにおいては、この範囲が99万円以下に拡大されています。 なお、民事執行法上の差押禁止財産(民事執行法131条)・差押禁止債権(同法152条)、特別法上の差押禁止財産(生活保護法58条、国民年金法24条など)があります。
破産法は、破産者の経済的再生の見地から、破産手続によっても処分されず破産者が自由に管理・処分できる財産=「本来的自由財産」を認めています。例えば、99万円以下の現金や、差押禁止財産(給料の一部、年金受給権等等)が「本来的自由財産」に該当します。 ただ、上記の「本来的自由財産」だけでは、破産者の経済的再生が困難である場合もあり得ます。そのような場合には、裁判所は、破産者の申立てを受け、自由財産の範囲を拡張する決定をすることができます。この制度を、「自由財産拡張」制度と言います。 なお、さいたま地方裁判所の運用では、預貯金・保険解約返戻金・自動車などの財産で、総額99万円(すべての財産の総額です)以下のケースでは、拡張を認めることが多いです。 「自由財産拡張」制度については、各地の裁判所によって運用が異なるので、詳しくは弁護士にご相談ください。
■弁護士と面談・契約
■受任通知を発送
※受任通知により取立てが止まります
↓
■裁判所提出書類の準備
■貸金業者より取引履歴の開示
↓
■利息制限法による引き直し計算(制限利率を超える借入れの場合)
■債務額又は過払金額の確定
↓
■過払金がある場合は過払金を回収
↓
■裁判所に申立書を提出
【同時廃止の場合】
■破産手続開始・廃止決定
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■免責許可決定
【管財事件の場合】
■破産手続開始・破産管財人選任決定
↓
■破産管財人による財産の換価処分
■破産に至った経緯の調査
↓
■債権者集会(複数回開催されることもあります)
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■配当手続
↓
■破産手続集結
■免責許可決定
浪費、ギャンブル、詐欺的な借入れ等があった場合には原則として免責は許可されません(破産法第252条1項)。ただ、免責不許可事由がある場合であっても、個々のケースによっては、裁量免責(破産法252条2項)が認められる場合もあります。免責が認められるかどうかの見通しについては、弁護士にご相談ください。
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