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Q 「引っ越し」「旅行」「郵便物」の制限について

2025.09.07

「引っ越し」「旅行」「郵便物」についての制限は、「管財事件」になった場合に適用されます。手続きが比較的シンプルな「同時廃止事件」の場合はこれらの制限はありません。

 

1. 「引っ越し」「旅行」の制限

管財事件になると、破産手続きが終了するまでの間、裁判所の許可なく居住地を離れること(引っ越しや長期の旅行・出張など)ができなくなります。

◯これは、破産管財人が財産の調査や換価を行うにあたり、いつでもご本人と連絡が取れる状態にしておくためです。また、財産を隠したり、手続きから逃亡したりするのを防ぐ目的もあります。

◯また、「一切どこにも行けない」というわけではありません。仕事の出張、冠婚葬祭、帰省など、正当な理由があれば、破産管財人に相談し、事前に裁判所の許可を得ることで可能です。無断で行うことが問題となるため、予定がある場合は必ず事前に報告・相談をしましょう。日帰りの外出など、宿泊を伴わない短期の移動であれば、通常は許可は不要です。

 

2. 郵便物の制限

管財事件では、破産手続き中に限り(破産手続開始決定から破産手続終結までの間)、ご本人宛ての郵便物(信書)が、すべて破産管財人の弁護士事務所へ転送されます。

◯これは、申告していない財産や債権者を発見するための重要な調査の一環です。例えば、銀行などの金融機関からの通知や、申告漏れの債権者からの督促状などを確認し、手続きに正確に反映させる目的があります。

◯破産管財人は、郵便物の中身を確認して破産手続きに関係ないと判断した郵便物(家族や友人からの個人的な手紙など)は、ご本人へ返却します。あくまで調査に必要なものだけをチェックするものであり、この郵便物の転送は破産手続きが終了すれば解除されます。

 

3.まとめ

破産手続き中の「引っ越し」「旅行」「郵便物」に関する制限は、「管財事件」において、手続き公正かつ円滑に進めるために設けられたルールです。正しく理解し、破産管財人としっかりコミュニケーションを取っていれば、過度に恐れる必要はありません。

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